2024年度オープンカレッジ講座
@埼玉県立大学

【イベント・セミナーレポート】
「自分の走り方を分析して高めよう」
埼玉県立大学 保健医療福祉学部 共通教育科 八十島崇


◾︎イベント概要



今回のイベントは、埼玉県立大学のオープンカレッジ講座として小学生向けの走り方講座を実施しました。その中で、iPhoneやiPadで撮影した動画から簡単な手順でスティックピクチャーを表出できる「SPLYZA motion」を活用し、実践として走タイムを計測するだけでなく、アプリケーションを通して自分自身の走動作を解析する場を提供しました。



◾︎イベント当日の流れ



ウォーミングアップ

測定
–走タイムと走動作の測定
  *動作は保護者の方がiOS端末にて撮影。

分析と確認
–測定した走動作を主に分析
  *動作の分析: 動作分析アプリ「SPLYZA Motion」を使用。

走動作のためのドリル
–姿勢とスキップ系のドリル


◾︎測定



走動作の測定①
–30m走を2回測定
  *撮影は、撮影位置からSPLYZA MotionをダウンロードしたiPhoneやiPadで実施。
  *撮影条件を『設定』→『カメラ』→『ビデオ撮影』→『1080p/60 fps』へ変更。


走動作の測定②



◾︎分析



走タイムの分析
–10m、20m、30mのタイム(ゴール時)を測定。
  ⇒このタイムをもとに走速度を計算。


走動作の分析(1)
–『写真アプリ』で撮影した動画を解析区間で切り出す。
  *動画を選択 →『編集』→ 走行部分を切出 →『新規で保存』


走動作の分析(2)
–『SPLYZA motionの設定』


走動作の分析(3)
–SPLYZA motionで撮影した動画を分析。


走動作の分析(4)
–SPLYZA motionで動画を分析〜分析する部位を選ぶ。


走動作の分析(5)
–SPLYZA motionで分析する部位を選ぶ。


走動作の分析(6)
–はじめに分析をする『左脚が着いてもう一度左脚が着く』1サイクルを決める。


走動作の分析(7)
–四角で囲った部分の関節角度を測定していく。


走動作の分析(8)
–各関節角度の測定。


走動作の分析(9)
–股関節と膝関節の伸展角度。


走動作の分析(10)
–膝引きつけ角度。


走動作の分析(11)
–ももあげ角度。



◾︎結果の確認



走動作の位相
–走動作:左右の脚で地面を交互にけり、移動していく動作。
  ⇒どのように脚で地面をけり、脚をもどしてくるか。


脚が地面から離れるときの股関節の角度と走速度
  ⇒地面をどう押すことができたか。

(引用元: 加藤謙一、宮丸凱史、松元剛(2001)優れた小学生スプリンターにおける疾走動作の特徴。体育学研究46:179-194.)



◾︎走動作のためのドリルやエクササイズ



動的ストレッチング
–おしり / 股関節 / ももまえ / ももうら / 内転筋 / 肩まわり

姿勢の確認

移動しながらのドリル
–マーチング / スキップ

ジャンプドリル
–アンクルジャンプ / スプリットジャンプ

ランニングドリル
–オーバヘッドランニング

※講座でやった主なドリルを紹介。


姿勢の確認
–両脚での姿勢の確認(片脚を行う前に整える)
–片脚での姿勢の確認(左右3〜5回ずつ)


その場での踏み替えからのスキップ


ジャンプエクササイズ




参加したお子さんには、動画へのスティックピクチャーの表出や、局面ごとに関節角度を見ていくところなど動作分析に興味を持って取り組んでいただけたと思います。今後は、走動作だけでなく投動作などの分析を行い、自身のパフォーマンス発揮に活かしていく中高生向けの講座も検討していきたいと考えています。

また、当日こちらのイベントに参加された皆様からは

-「分析から走り方を考えるのは面白く、とても良い経験になった。」
-「運動に苦手意識がある子どもでも、科学的に分析し改善をすることで苦手意識の低減にも役立つと思った。」

など、多くの感想をいただきました。