■ 担当されている研究
看護学部の健康科学領域を担当していて、専門は体育学、運動生理学、スポーツバイオメカニクスです。各種身体動作や筋疲労回復促進効果などを研究しています。
■ SPLYZA Motion 導入前の課題
本学には動作解析装置がなく、隣の北見工業大学のViconを使わせてもらったり、市内の病院にある動作解析装置を利用していました。しかし、Viconでは身体に反射マーカーを30箇所以上マークする必要があり、手間がかかります。もっと簡便でマーカーレス、かつ安価に身体動作を数量化できるものを探していました。
■ SPLYZA Motion 導入の決め手
「簡便性」と「実用性」の高さです。従来の動作解析装置では、手間や高額なコストが課題となっていましたが、SPLYZA
Motionはマーカーレスで動作を解析でき、端末一台で操作可能なため、手軽に高精度なデータを取得できる点が導入の決め手でした。学生からも「臨床現場で活用できるのではないか」という声があがっていました。
■ 具体的な活用法
看護現場における様々な動作解析で活用しています。 例えば、”妊婦スーツ”を学生が着用し、その状態で歩行解析をしました。具体的には、SPLYZA
Motionを用いてスーツ着用前後の歩行データを取得し、歩行時の重心の動きや姿勢の変化、腰や体全体にかかる負担を可視化しました。
▲妊婦スーツを着用して歩行の動作解析をしている様子
■ 活用後の変化
これまでは、妊婦に関する動的な研究を行うのは難しく、本学では主に重心動揺による立位での揺れの計測など、静的な解析が中心でした。SPLYZA
Motionの導入により、動的な動作解析が可能になり、歩行時の身体負荷や動作の詳細を可視化できるようになりました。これにより、より実践的で具体的な研究が進められるようになりました。
「腰への負担を軽減するためにはどのような歩き方を意識するべきか」「体重のかけ方や姿勢の改善ポイント」など、妊婦さんへの歩行指導や注意点を具体的な提案もできるようになりました。
■ 学生の反応
妊婦スーツの体験と解析結果の可視化により、学生たちは妊婦の身体的負担をより深く理解できるようになりました。解析のリアルタイム性と具体性が、学生たちにインパクトがあったようで、「腰への負担がこんなに大きいのか」と驚きや感想を持ったり、臨床現場での活用方法を模索するきっかけになっていたようでした。