ーSPLYZA Motionを使おうと思ったきっかけはなんでしょうか?
小林先生:
ICTの活用を推進している学校なので、スポーツでもICTを活用したいと以前から考えていました。学会に参加した時にSPLYZA Motionを知って、iPadで手軽に取り組めるということで早速授業に取り入れようと思いました。
ーSPLYZA Motionを使う前はどのような探究授業を行っていたのですか?
小林先生:
「自分でスポーツを考案しよう」という授業を行いました。授業内では「HB」というハンドボールとバスケットボールをミックスした競技が誕生しました。
ースポーツ×ICTについての小林先生の考えを教えてください。
小林先生:
「こう走ったほうがいい」「こう腕を振ったほうがいい」という抽象的な部分を数値化して論理的に説明ができることで、生徒たちがイメージしやすくなると思います。
ースポーツにICTを活用してみての変化はありましたか?
小林先生:
自分を俯瞰してみられるようになったと思います。運動が苦手な子やもっと上手くなりたい子など、レベル感を問わずに自分自身で探究できるので、スポーツにもICTは必要だと思います。授業では、SPLYZA Motionを使って自分の動きを主に分析してきたのですが、新たな発見ができた人もいれば、更なる追求ができた人もいました。
生徒にとって有意義な時間だったと思います。
ー実際に授業で取り入れてみての課題を教えてください。
小林先生:
限られた時間の中、且つ初めての取り組みだったので「時間」が課題でした。授業の組み立て方や、時間の使い方は次の改善点だと思います。
ー先生が考える「スポーツを探究する」とはなんですか?
小林先生:
スポーツを「知る」「楽しむ」が探究のポイントだと思います。運動が得意不得意の前段階で、「スポーツを楽しむ」という部分でICTを活用することで壁が取り除けるのではないかなと思います。
ー今後、期待していることを教えてください。
小林先生:
SPLYZA Motionが今後もっと進化していくということで、機能の発展も楽しみです。授業としては、スポーツ未経験の生徒も授業を選択する可能性があるので、スポーツの前に運動や動作の部分、健康面でも活用してスポーツの面と健康面で展開していきたいです。
ー続いて生徒さん達にも質問をさせていただこうと思います。みなさんが「スポーツ科学・バイオメカニクス」の授業を選んだ理由を教えてください。
横森さん:
スポーツが好きで興味深いと思ったので選択しました。
冨島さん:
僕はテニスをやっているのですが、半年前にスランプで悩んでいた時期がありました。その時に、ラボ一覧に記載されていた”動作分析”の一文に惹かれました。自己改善のためもありますが、面白そうだと思ったので選択しました。
榎橘さん:
元々「バイオメカニクス」という名前自体を知っていて興味を持ち、自分は陸上が専門なので「すごい!」と思い、迷わず選びました。
櫛谷さん:
スポーツが好きで、自分自身も陸上をやっています。コーチからフォームを指摘されていたこともあり、自分のフォームを分析したいと思ったのがきっかけです。
ーSPLYZA Motionを使ってみてどうでしたか?
横森さん:
スティックピクチャー(棒人間)で表示されるので、動きがわかりやすく見やすかったです。
冨島さん:
膝や重心がわかりやすくてフォーム改善の参考になりました。
榎橘さん:
短時間で分析できるし、スティックピクチャーで表示されているので自分の動きを細かく見ることができました。動作が被ってしまうポーズだと、スティックピクチャーが正常に動作しないことがあったのですが良いアプリだと思います。
櫛谷さん:
マーカーレスで全身の分析ができて、気になる部分に焦点を当てつつ動作分析が出来るところが良かったです。
ーノーマルな映像を見るのと、 動作分析をしながら映像を見る違いはありましたか?
横森さん:
自分の動きを数値化できる強みがあると思います。ノーマル映像では動きはわかりますが、具体的に体がどう違っているのかまで細かくわからないので数値化されていることで自分の考えを広げることができるのが良いと思います。
冨島さん:
今までは、自分が見たい部分がうまく映らず見ることができなかったです。肘、頭の位置などスティックピクチャー化されていることにより、背面部分も一目で確認できるのがとても良かったです。
ーSPLYZA Motionを使う前の振り返りはどのように行っていましたか?
櫛谷さん:
大会に出たときは大会動画をコーチに見てもらって、アドバイスを貰っていました。
榎橘さん:
陸上がとても好きなので時間があるときは、家でもずっと陸上関連の映像をみていました。大会出場後はすぐに動画を見て、今日の振り返りをしていました。
冨島さん:
スクールということもあり、動画を撮ってもコーチにすぐ見せることが出来なかったので、自分で動画を見ながら上手な人たちの動きと比較していました。今振り返ってみると、環境の問題で当時はあまり振り返りができていなかったのかなと思います。
ー最後に、スポーツを探究するとはどういうことだと思いますか?
冨島さん:
今までコーチ達に教えてもらわないとできなかった事が、アプリを使って自身で分析できます。真剣に分析することで、普段とは違う緊張感を持つことができたのでスポーツに対してのイメージがガラッと変わりました。以前は全体を闇雲に直していましたが、今は膝などの1部位だけを重点的に見ることができるので改善の幅が広がったのも良かったです。
榎橘さん:
以前はコーチの考えで練習やインターハイの特訓をしてきていましたが、探究することによって知識を得ることができるので自分のコンディションに合った練習方法をあみ出せるようになりました。自分の考えや意見を持つことで人に動かされず、他人の意見を取捨選択できるようになったのが成長につながっていると思います。